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巽

「静かにしろ! そうだ、見てのとおり、転校生だ。
急な話だったからな、おまえらが驚くのも当然だが……乾、自己紹介してくれ」
乾

「乾和貴(いぬいかずき)です。家庭の事情で、今日からこちらでお世話になります。
よろしくお願いします」
爽やかな笑みとともに、すらすらと自己紹介する転校生――乾くんはとても自然体だった。
一昨日、同じ場所でガチガチに緊張していた私とは全然違っていて、それだけで妙に感心してしまう。
男子生徒

「うっわ、爽やか好青年!?」
女子生徒

「キャー! めちゃくちゃタイプ!」
女子生徒

「いいかも……」
女の子たちの反応がすごかった。
鈴香

「ちょっと千枝ちゃん! イケメンだよ、イケメン!
ナナちゃんセンセも素敵だけど、乾くんもいいねー」
千枝

「う、うん。そうだね」
鈴香ちゃんも他の女子と同じく、目がキラキラしていた。
千枝

(……確かに、カッコイイかも)
整った顔立ちに凛とした雰囲気、そして、極めつけはさっきの爽やかな笑顔。
クラスの女の子たちが騒ぐのも納得だった。
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